整腸作用とLGG®乳酸菌

研究1

LGG®乳酸菌の摂取が健常人の便性、腐敗産物の生成および腸内細菌叢に及ぼす影響

〈 研究1 〉

LGG®乳酸菌の摂取が健常人の便性、腐敗産物の生成および腸内細菌叢に及ぼす影響

目的

本研究の目的は、LGG®乳酸菌を含むヨーグルトの摂取による便性、便の細菌叢および腐敗産物の生成に及ぼす影響を調べることです。

方法

健康な成人52名を対象に、LGG®乳酸菌またはプラセボを14日間連続摂取し、摂取前14日間、摂取中14日間、摂取後14日間の各試験期間の排便回数、排便量および便性のアンケート調査を実施しました。また、無作為に抽出した8名の糞便を3回(摂取前、摂取中、摂取後)分析しました。

結果
  • 便性の評価:
    各試験期間の総排便回数に有意差はありませんでしたが、LGG®乳酸菌の摂取により「14~20回」の分布に移行する傾向がみられました。摂取前の排便頻度が1日1回以下と比較的少ない25名では、排便頻度は、摂取前0.75回、摂取中0.84回、接種後0.76回で、摂取前と摂取中との間に排便回数の有意差が認められました。この25名では、摂取前と摂取中の排便感覚で「悪い」と感じる人が減少し、「非常に良い」と感じる人が増加しました【表1】。排便量、形状、色及び臭いに各試験期間で有意差はありませんでした。

  • 【表1】発酵乳摂取が排便頻度と排便後の体感に及ぼす影響(n=25)

    摂取前摂取中摂取後
    排便回数(回/日)0.750.840.76
    排便感覚(スコア*/=日)1.711.91.8

    *スコア:悪い1点、良い2点、たいへん良い3点P < 0.05

  • 便の細菌叢結果:
    便の善玉菌の1つであるBifidobacteriumの菌数は有意に増加しました。
    また総菌数に占めるBifidobacteriumの割合も有意に増加しました(P<0.05)。

  • 【図1】総菌数に占めるBifidobacteriumの割合(%) (n=8)
  • LactobacillusもLGG®乳酸菌の摂取中に有意に増加(P<0.05)しました【図2】。
    Lactobacillusに占めるLGG®乳酸菌の割合は約50%でした。

  • 【図2】Lactobacillus菌数 (n=8)
  • レシチナーゼ陽性のClostridiumの出現頻度がLGG®乳酸菌の摂取により減少する傾向が認められました【図3】。

  • 【図3】レシチナーゼ陽性のClostridium菌数
結論

LGG®乳酸菌の摂取によって、排便回数や便性状の改善する傾向が見られました。またLGG®乳酸菌は生きたまま腸に届き、腸内細菌叢に働きかけ、腸内環境を整えることが示唆されました。

【出典】細田ら 健康・栄養食品研究 Vol.1: 1-20 (1998)
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