早産児の呼吸器感染症とLGG®乳酸菌
早産児のウイルス性呼吸器感染症予防におけるLGG®乳酸菌の有効性
早産児のウイルス性呼吸器感染症予防におけるLGG®乳酸菌の有効性
早産児はウイルス性呼吸器感染症(RTI)への感受性が高いため、RTIを予防するために、安全かつ簡便な対策が必要です。
早産児のウイルス性呼吸器感染症(RTI)におけるプレバイオティクス及び、LGG®乳酸菌の有効性を確認することです。
乳育児中の早産児94名(妊娠期間,32+0週以上36+6週以下、出生体重1500 g超)を対象に、生後3~60日までプレバイオティクス(ガラクトオリゴ糖とポリデキストロース混合)(n=23)、LGG®乳酸菌(n=21)またはプラセボ(n=24)を摂取させ、生後1年間のRTIの罹患について調べました。主要評価項目は,核酸検査により鼻腔スワブから確認された臨床的に定義されたウイルス関連 RTI エピソードの発生率でした。副次評価項目は、RTIの重症度と期間でした。
RTIの発生率は、プラセボ群(20例、83.3%)と比較して、プレバイオティクス群(9例、39.1%)、LGG®乳酸菌群(11例、52.4%)で著しく低くなりました【図1】。RTIの発症回数0回がLGG®乳酸菌群、プレバイオティクス群で多く、発症回数4回以上においてはプラセボ群が多い結果となりました。
全RTIエピソードの80%を占めるライノウイルスの検出回数は、プラセボ群の50回と比較してプレバイオティクス群(13回)およびLGG®乳酸菌群(19回)と著しく低いことが明らかにされました【図2】。
LGG®乳酸菌群及びプレバイオティクス群でライノウイルス感染における発症を抑制しました。
感染時のライノウイルスRNA負荷、ライノウイルスRNA排出期間、ライノウイルス感染症の期間や重症度、無症状児のライノウイルスRNAの発生については、研究グループ間で差は認められませんでした。
プレバイオティクスやLGG®乳酸菌の摂取は、ライノウイルス感染症のリスクを低減する可能性が示唆されました。