呼吸器感染症とLGG®乳酸菌

研究1

保育園児の胃腸及び呼吸器感染症の予防におけるLGG®乳酸菌について:無作為二重盲検プラセボ対照試験

研究2

保育園児の感染症に関するLGG®乳酸菌の長期摂取が及ぼす影響:無作為二重盲検プラセボ対照試験

〈 研究1 〉

保育園児の胃腸及び呼吸器感染症の予防におけるLGG®乳酸菌について:無作為二重盲検プラセボ対照試験

目的

この研究の目的は、保育園児の消化管及び呼吸器感染症の予防におけるLGG®乳酸菌の役割を調査することです。

方法

保育園に通う1歳から6歳の子ども281名を対象に、無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施しました。彼らは、3ヵ月の試験期間中、LGG®乳酸菌を含む100mlの発酵乳(n=139)またはLGG®乳酸菌を含まない発酵乳であるプラセボ(n=142)を摂取しました。

結果
  • 上気道感染症の罹患リスクは、LGG®乳酸菌群で41.7%、プラセボ群66.9%でした。LGG®乳酸菌群では、上気道感染症の感染リスクがプラセボ群の66%と大幅に低下しました。(34%の罹患率減少効果)【図1】。

  • 【図1】上気道感染症の罹患率
  • 3日以上続く呼吸器感染症の罹患リスクはLGG®乳酸菌群で28.1%、プラセボ群49.3%でした。LGG®乳酸菌群では、罹患継続リスクがプラセボ群の57%と低下しました。(43%の3日以上の罹患継続率減少効果)【図2】。
    また、呼吸器症状を伴う日水が大幅に減少となりました(有意差あり)。

  • 【図2】3日以上続く呼吸器感染症の罹患継続率
  • 呼吸器感染症のうち、下気道感染症に関するリスク低下は認められませんでした。上気道感染症にのみ有意差があったのは、下気道感染症の感染者がわずかだったことが影響しています。
    消化管感染症のリスク、嘔吐の有無、下痢の有無、および胃腸症状の日数に有意な減少はありませんでした。

結論

保育園児の呼吸器(上気道)感染症のリスクを減らすための有効な手段として、LGG®乳酸菌の投与を推奨できます。

【出典】Hojsak et al. Clin Nutr. 29(3):312-316 (2010)
〈 研究2 〉

保育園児の感染症に関するLGG®乳酸菌の長期摂取が及ぼす影響:無作為二重盲検プラセボ対照試験

目的

この研究の目的は、LGG®乳酸菌を含むミルクの長期摂取により、保育園児の胃腸および呼吸器感染症を軽減できるかどうかを検討することです。

方法

フィンランドのヘルシンキの保育園18園に通う1歳から6歳の健康な子ども571名を対象に、無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施しました。彼らは、7ヵ月の試験期間中、LGG®乳酸菌を含むミルク260ml(n=282)またはLGG®乳酸菌を含まないミルクであるプラセボ(n=289)を摂取し、呼吸器症状および胃腸症状のある日数、病気による保育園の欠席、呼吸器感染症および抗生物質治療について調べました。

結果
  • 7ヵ月間の試験期間を終了した子ども513名の病気による保育園の欠席日数は、LGG®乳酸菌群(n=252)4.9日、プラセボ群(n=261)5.8日となり、LGG®乳酸菌群で有意に減少しました【図1】。(年齢調整の場合、LGG®乳酸菌群で5.1日、プラセボ群5.7日)

  • 【図1】病気による保育園の欠席日数
  • LGG®乳酸菌の摂取によって、合併症および下気道感染症を罹患した子どもの数が17%減少しました。同様に、呼吸器感染症に対する抗生物質治療を必要とした子どもの数も19%減少しました。
    LGG®乳酸菌の摂取による消化管感染症のリスク、嘔吐の有無、下痢の有無、および胃腸症状の日数に有意な減少はありませんでした。

結論

LGG®乳酸菌は、保育園児の呼吸器感染症とその重症度を軽減する可能性があります。その効果は緩やかでしたが、一貫して有効性が示されました。

【出典】Hattaka et al. BMJ. 2;322(7298):1327 (2001)
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